大庭周さん

夕暮れが迫る、17時頃

赤みを増す日本海に沿うようにして、車を走らせていました

向かうのは益田市の「鎌手」という場所

夕日が沈みゆく時に、どうしてもここでお会いしたい方がいたのです

今回ご紹介するのは、『大庭周』さん

益田の市街地に拠点のある「ユタラボ」の一員として働きながら

ここ「鎌手」に住み、この地での暮らしも楽しまれています

大庭さんが住むのは、海沿いの集落にある一軒家

徒歩30秒で海が見える そんな羨ましいような場所でした

到着したのは、18時前

ちょうど時期的に、今まさに夕日が!という時間帯でした

鎌手の夕日

夕焼けの中、案内してくださったのは、ご自宅近くの畑

立派な茄子がたくさん実っていて、畑を彩っていました

「食べきれなくて」と笑う姿に、

「この地に”住まう”とはきっとこういうことなんだ」

とじんわり思った記憶があります

茄子や野菜がたくさん実る畑

益田に来られる前は、東京で会社員として働いておられた大庭さん

これまで島根とは特別なつながりもなく、

ユタラボの一員として働く時、はじめてこの地に来られたそうです

「島根で暮らすことに不安はなかったですか?」

という質問に対して

「あまり不安はなかったです」と答えて下さった笑顔に、なんだか少し励まされました


「ちょっと海辺を散歩しませんか?」

素敵なご提案をいただき、海辺を歩きながら、色んなことを教えていただきました

この地のこと、ここに来るまでのこと

日々生きる中で、「今」も「未来」も、ちゃんと大切に向き合っておられて

なんだか、聞き入るように、耳を傾けていました


ふいに、はっと思ったのです

「島根で暮らすことに不安はなかったですか?」

あの時、この質問に、「不安はなかったです」と即答されたのは、

「どこで暮らすか」ではなく「どう暮らすか」

きっと、そこに重きが置かれていたからではないのでしょうか

なんだか、そう思ったのです



お話の中で、一番興味深かったのは、コミュニティの関わり方と海辺の珈琲会のこと

ある時、海の近くのスペースでコーヒーを飲んでいた事をきっかけに

地域の方に声をかけていただくようになったり

友人を招いたりして、天気の良い日に海辺の珈琲会を始められたそう

「心地よい」「楽しい」という気持ちで包まれたコミュニティとの関わり方

童話「北風と太陽」で言うなれば、まさに「あったかい太陽」のような関わり方でした

散歩の途中「こんばんは」と地域の方と笑顔で挨拶を交わし

談笑を楽しむ姿に、より一層そう思いました
 

夕暮れの鎌手の海辺


海辺の散歩が終わると、ご自宅にお邪魔させていただき

なんと、美味しい美味しい豚汁をいただきました

これが、本当に美味しくて!味の決め手は「生姜」だそう
 

具だくさんの豚汁


畑で一足お先に採れた茄子や野菜もふんだんに入った、具だくさんの豚汁でした

海辺のお散歩の時も、その中でのお話でも

「暮らし」という話の中には、必ず「人」が登場していたように思います

「地域の方」「職場の方」「友人」

そのすべての要素が混ざり合って、大庭さんの「暮らし」が構成されている

どれもが欠かせない要素で、すべてがあって、豊かな暮らしとなる

大庭さんが振舞ってくださった、あったかい具だくさんの豚汁のように

色んな「人」と関わり合うことで、暮らしが美味しく豊かになる

体が温まるのを感じながら、じんわりとそう思いました



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